コンビニの駐車場脇にひっそりと
灰皿が置いてありますね。

私は車内では吸わないので
ローソンの駐車場に車を止め
灰皿の位置するところに向かった…先々週の日曜日。

あれは喫煙者にとってはオアシスなんですな。

そのオアシスで若い男性が
ライターで煙草に火をつけようとしたが
つかないようで
カチャ、カチャとやっている。

「良かったらどうぞ。」と
ライターを渡した。

「あ…ありがとうございます。」と
彼は私のライターを使った。

二人は無言で
コンビニの壁を背にして
道路を眺めながら
煙草を吸う。

ライターの火を貸しただけですが
言ってみれば、そのシチュエーションでは、
私は彼の命の恩人に近い存在なわけですな。

そこで彼と私の間には
ある種の「絆」が生まれたわけです。

さて…ここで困ったな…と、思った。

灰皿のオアシスを後にする
その場の立ち去り方。

理想的なパターンは

彼が先にその場を立ち去り
去り際に
「ありがとうございました。」という類のジェスチャー、
例えば、軽い会釈とかね。

そうなると
私の方も
「いえいえ、どういたしまして。」というジェスチャーの
軽い笑顔で彼を見送り

一瞬でも絆を持った二人ではあるが
それぞれの人生に戻っていけるわけです。

しかしこの彼…
煙草の根元まで吸うタイプの方なのか
彼自身も
立ち去り方を模索しているのか存じませんが

いっこうに立ち去る気配がない。

私はどちらかというと
煙草半分で消してしまいたい派。

吸い続けて気持ちが悪くなってきた。

よって
私が先に立ち去る事に
ならざるを得ない状況になった。

ペコリと会釈をするのも
私は確かに彼の命の恩人(?)ではあるが
恩着せがましい気もする。

しかし
袖すり合うのも何かの縁。

ほんの一時の絆を結んだ方に
無言で去るのも失礼な様な気がしなくもない。

この様に
赤の他人同士が
何かの拍子に遭遇する
絆というか連帯感の様なものって
あると思うんです。

電車で足を広げて踏ん反り返って座る若者。
ヘッドフォンの音ももれていてうるさすぎる。
カッコつけているつもりなんでしょうな。

だけど、あんた‥ズボンのファスナーが全開だぜ。

マナーも悪いけど、下半身のマナーも悪いな。

真向かいに座る私は苦笑すると
隣に座る女性も気がついていたのか
彼女とふと目が合うわけですね。

「ですよね‥。」という類のアイコンタクトを
するわけではないのですが
彼女と私の間には
何か連帯意識が芽生えますね。

さて‥話を戻しますと
ローソンのオアシスでは
「どうやって立ち去るか‥」と
しばらく思案した挙句

携帯電話のバイブが鳴ったふりをして
バックからガサゴソとiPhoneを取り出し

「もしもぉぉし!
ど〜も〜。お世話になっておりますぅ〜。」と
下手な小芝居をしながら
その場を後に致した。

気ぃ使うわぁ‥。