自費出版

他界した父は本当に質素倹約な人でして

出来の悪い子供達4人の教育費だけは
惜しまずに使ってくれましたが
自分の物には全くお金をかけない人でした。

”時間はお金では買えない貴重なもの”というのが
根本にある人でしたから
例えば高崎から東京へはもちろん新幹線。
速いですから、時間の節約になります。

しかし
父と都内へ行った時にも
グリーン車の券を買おうとしたら
「自由席でいいだろ。」と、言われ
自由席の列に並んでいる父を見て
彼らしいなぁ…と、胸がキュンといたしました。

父は多趣味な人でしたが
晩年は殆ど鎧作りをしておりました。

そして
何を思ったか…おそらく母の発案だと思いますが
鎧作りの本を自費出版したんですな。

表紙に母の父が書いた日本画を使用した
かなり豪華な本で
6畳一間が目一杯になる位の在庫を注文し

友人、知人に差し上げるんだ…と、言う。

2016-08-22 18.13.44

2016-08-22 18.14.08

私が気になったのは
自費出版の値段。

聞いてびっくり致しました。

ええっーーーーーーーーーっ?!!!でした。

それを
差し上げちゃうわけぇ?!!

普段の生活はとても質素な夫婦でしたが
そういったお金の使い方というのは
私には考えられませんでしたが
最近は
提案した母の気持ちもちょっとわかる様な気がいたします。

父は心臓が相当悪かったですから
母は彼がこの先、そんなに長くないと
わかっていた節があり
父がこよなく愛した鎧と
晩年のライフワークとなった鎧作りを
記録に残したいと思ったのでしょうな。

しかし、先日ふと思い出し
その本を手に取って読んでみました。
(今まで読んでいなかったという…親不孝娘ですな。)

要するに、鎧の専門的文献という印象。

よっぽどのマニアか
その道の専門家の方にしか
全く理解できないでしょうし

文章にちょいとユーモアの一つも入れればいいのでしょうが、
情緒的な事は一切表現されていないもので

「差し上げる。」と、言っておりましたが
もらった人は迷惑なんじゃないかなぁ…と、思いました。

ちなみにこの本をググってみたら
どういった経緯なのか
国立図書館にあるらしい。

また
ある居酒屋さんの女将さんが
鎧作りが趣味なようで
彼女のブログに
「昨夜、お客様より立派な本を頂きました。
お医者様が趣味で本格的な甲冑を作った記録を
本にしたもの…。
凄すぎです。」
との書き込みがあり

父が生きていたら読ませてあげたかったなぁ…と。

笑ったのは
ヤフオクでも出品されていました。

8000円という価格を付けておられ苦笑。

タダでもらったのに
8000円スタートってどうなんだろう。
ちょっと欲張りすぎなような気が
しなくもない。

そもそも入札がない。

これも父が見たら
大爆笑したでしょうな。

入札してやるか…なんて思ったりしております。